結果の出る音読の仕方「30 回読む」より大切なこと

英語長文を勉強しているのに、なかなか読むスピードが上がらない。

そんな人に、ぜひ取り入れてほしいのが「音読」です。

ただし、ここで大切なのは、ただ声に出して何十回も読むことではありません。
音読は、やり方を間違えると単なる作業になります。
大切なのは、「何回読んだか」ではなく、「何ができるようになったか」です。

まず、理解していない英文を音読しない

音読する前に、必ずその英文を一度しっかり理解してください。

  • わからない単語を調べる
  • 文法・構文を確認する
  • SVOC など英文の構造を確認する
  • 日本語訳を確認する
  • 文章全体の内容を理解する

意味も構造もわからない英文を何度読んでも、「わからない英文を声に出す練習」になってしまいます。
特に英語が苦手な生徒ほど、ここを飛ばしてはいけません。

まず正しく読める状態を作る。

そのうえで音読によって、その正しい読み方を身体に染み込ませていきます。

七色会がおすすめする「3 段階音読」

目安として、同じ英文を30 回。
ただし、30 回という数字そのものが重要なのではありません。
10 回ずつ「読む目的」を変えていきます。

最初は速く読む必要はありません。
音声を聞きながら、

  • 「ここが主語」
  • 「ここが動詞」
  • 「このthat はここにつながっている」
  • 「ここから後ろが名詞を説明している」

というように、英文の構造を頭の中で確認しながら読みます。
英語を前から読みながら、意味のかたまりごとに理解していくことも重要です。
最初からきれいな日本語訳を作ろうとしなくて構いません。
英語を前から理解する感覚を作る。
これが第一段階です。

次は構造だけでなく、内容を意識します。
英文を読みながら、

  • 「結局、何を言っているのか」
  • 「誰が何をしているのか」
  • 「どんな状況なのか」

を頭の中に浮かべます。

最初は、
英語 → 日本語 → 理解でも構いません。
しかし、繰り返していくうちに、
英語 → 内容・イメージへ近づけていきます。

例えば、
A boy was running toward the station.
を見て、わざわざ「一人の少年が駅に向かって走っていました」と日本語を完成させなくても、少年が駅へ走っている景色が浮かぶ。この状態を目指します。

さらに文章を読みながら、

「なぜ?」「具体的には?」「それで?」「どんな?」

と頭の中でツッコミを入れるのも非常に有効です。

英語は後ろから説明が追加されていくことが多いため、この読み方ができると前から前へ読み進めやすくなります。

最後に音声速度を上げます。
1.1 倍、1.2 倍、1.3 倍……と、自分に合わせて少しずつ速くしてください。
ただし、「速く読めた=成功」ではありません。
目標は、速いスピードでも、構造と内容が同時に頭へ入ってくることです。
速くした瞬間に意味が消えてしまうなら、まだ速すぎます。

「理解できるギリギリの速さ」でトレーニングしてください。

30 回を1日で終わらせない

30 回音読するなら、おすすめは、
1 日5 回 × 6 日間

例えば、

という形です。

長い英文なら、1 日3 回でも構いません。
重要なのは、回数を達成することではありません。

「30 回読んだ」をゴールにしない

ここが今回、一番伝えたいところです。
音読学習では、
「今日は10 回読んだ」
「30 回終わった!」
と、いつの間にか回数が目的になってしまいます。

そうではありません。

チェックするのは、この3 つです。

この3 つができるなら20 回でもいい。
できないなら、30 回を超えても続ける。

回数ではなく、「英文の処理の仕方」が変わったかを見る。
これが結果の出る音読です。

黙読だけではなく「声に出す」理由

一度読んだ英文を黙読すると、自分が苦手なところを無意識に飛ばしてしまうことがあります。
しかも、内容をすでに知っているので、「読めている」と錯覚しやすい。
音声に合わせて声に出すと、ごまかせません。
単語も構文も一つずつ通過しなければならない。
さらに、ネイティブ音声の強弱・区切り・リズムまで真似することで、英語を英語の語順のまま処理する感覚を身につけていきます。

「音読のフォーム」を身につけよう

英語長文は、新しい問題を次々に解けば速く読めるようになるとは限りません。
むしろ、一度完全に理解した英文を何度も使い、構造をつかむ

この練習を繰り返すことに大きな意味があります。
教材は特別なものでなくても構いません。
学校の教科書でも、長文問題集でも、すでに使っている参考書でも大丈夫です。

できれば、
「解説が詳しい」「文構造が確認できる」「音声がある」「再生速度を変えられる」
教材が理想です。

そして、もう一つ。

難しい英文ばかりを選ぶ必要もありません。
音読では、「少し易しい」と感じる英文を完璧に処理できるところまで持っていくことにも大きな価値があります。

音読は「読む作業」ではなく「英語の処理速度を鍛えるトレーニング」
30 回声に出したから英語ができるようになるのではありません。
30 回という反復の中で、英語の読み方そのものを変えていく。
これが本当の目的です。

英文を見て、

  • 前から構造がわかる。
  • 前から意味が入る。
  • 日本語に戻さなくても景色が浮かぶ。
  • そして、その状態で速く読める。

ここまで持っていく。
「英語は読める。でも時間が足りない」という高校生には、ぜひ一度本気で音読に取り組んでほしいと思います。
同じ英文を、理解の深さを変えながら繰り返す。

それが、結果につながる音読です。