国公立を諦めるな。共通テスト3科目で受験できる大学がある
「国公立=全科目必要」と決めつけるな
「国公立大学に行きたいけれど、数学や理科まで仕上げるのは厳しい」
「私立大学を中心に考えてきたが、できれば国公立大学も受験したい」
そんな文系の受験生に知っておいてほしいことがあります。
国公立大学だからといって、必ずしも共通テストで多くの教科・科目を受験しなければならないわけではありません。
大学や学部、入試方式をしっかり調べると、共通テストの英語・国語・社会など、実質3教科を中心に受験できる国公立大学があります。
もちろん、選択肢は多くありません。
しかし、私立大学型の3教科学習を進めながら、国公立大学への可能性も残せる入試方式が存在する
ことは、受験戦略を考えるうえで非常に重要です。
文系3教科で受験できる国公立大学の例
2027年度入試に向けて、文系3教科を中心に受験できる大学として、次のような大学・学部が挙げられています。
静岡県立大学国際関係学部
共通テストは、基本的に
•英語
•国語
•地歴・公民・数学・理科・情報などから1科目
という形です。
個別試験では英語が課されるため、英語を得点源にできる生徒に向いています。
国際関係、国際文化、外国語などに興味があり、英語を中心に受験勉強を進めたい生徒にとって、有力な選択肢の一つです。
静岡文化芸術大学文化政策学部
国際文化学科や文化政策学科では、共通テストで
•英語
•国語
•選択1科目
を利用する方式があります。
個別試験では英語と現代文が課されます。
つまり、数学や理科ではなく、英語と国語を中心に勝負できる国公立大学です。
語学、文化、地域、メディア、国際分野などに関心のある生徒は、一度詳しく調べておく価値があります。
福井県立大学経済学部
共通テストでは、英語・国語・地歴公民を中心とした受験が可能です。
個別試験も英語・国語が中心となるため、私立文系型の学習との相性がよい大学です。
経済や経営を学びたいけれど、数学を含む多科目型の国公立受験は難しいという生徒にとって、検討しやすい選択肢です。
都留文科大学
都留文科大学には、学科や入試方式によって、共通テスト3教科型で受験できるものがあります。
例えば、文学部や教養学部の一部では、
•英語
•国語
•地歴公民などの選択科目
を中心に受験できます。
個別試験についても、国語、英語、小論文など、学科ごとに特徴があります。
国語や英語が得意で、文学、教育、国際、地域社会などを学びたい生徒にとっては、非常に相性のよい大学です。
東京都立大学法学部
東京都立大学法学部にも、英語・国語と選択科目を中心に受験できる方式があります。
ただし、科目数が少ないから簡単というわけではありません。
大学の難易度は高く、受験者の学力も高いため、3教科を高いレベルまで仕上げる必要があります。
「科目を減らせば何とかなる大学」ではなく、科目を絞り、その科目を徹底的に鍛えた生徒が勝負する大学と考えるべきです。
北九州市立大学
外国語学部や文学部の一部では、英語・国語と選択1科目を中心に受験できる方式があります。
特に外国語学部では、個別試験でも英語が重要になります。
英語が強く、外国語、国際関係、異文化理解などを学びたい生徒には、検討する価値があります。
このほかにも、信州大学人文学部、和歌山大学経済学部の後期日程、群馬県立女子大学、新潟県立大
学、京都府立大学の一部学科、宮崎公立大学など、3教科を中心に受験できる国公立大学があります。
入試科目は年度や方式によって変更されるため、必ず各大学の最新の募集要項を確認してください。
3科目型は「楽な国公立入試」ではない
ここは絶対に勘違いしてはいけません。
共通テスト3科目型は、受験科目が少ない分、勉強量を絞ることができます。
しかし、
科目数が少ないことと、合格しやすいことは別問題です。
3科目型の国公立大学には、私立大学型で勉強してきた受験生が集まります。
英語が得意な生徒、国語が得意な生徒、社会を徹底的に仕上げてきた生徒が受験するため、少ない科
目の中で高得点が求められます。
5教科型であれば、数学の失点を社会で補う、国語の失点を理科で補うということもあります。
しかし3科目型では、1科目の失敗が全体に与える影響が非常に大きくなります。
- 英語で大きく崩れた。
- 国語で時間配分を失敗した。
- 社会で知識の抜けが大量に出た。
これだけで、合格ラインから大きく離れてしまう可能性があります。
したがって、3科目型を選ぶ場合は、3科目しか勉強しなくてよいではなく、
3科目を絶対に崩れないレベルまで仕上げるという覚悟が必要です。
3科目型が向いている生徒
3科目型の国公立受験が向いているのは、単に数学や理科が苦手な生徒ではありません。
英語・国語・社会の中に明確な得点源がある
例えば、
•英語で安定して8割以上を取れる
•国語が得意で、現代文・古文・漢文を大きく崩さない
•日本史や世界史を圧倒的な得点源にできる
このような生徒です。
3科目すべてが平均的というよりも、1科目で大きく得点し、残り2科目を安定させる形が理想です。
私立大学との併願を考えている
英語・国語・社会で国公立大学を受験できれば、私立大学の一般入試対策と学習内容を重ねやすくなります。
例えば、
•国公立大学
•関関同立
•MARCH
•南山大学
•愛知大学
•中京大学
•名城大学などの文系学部
を、同じ3教科を軸に受験することができます。
国公立用と私立用にまったく別の勉強をする必要が少なくなり、限られた時間を集中して使えます。
受験勉強のスタートが遅れた
高校3年生になってから本格的に受験勉強を始めた場合、全教科を一から仕上げるのは簡単ではあり
ません。
そこで、志望分野と受験校が合っているのであれば、3教科に絞ることで巻き返せる可能性があります。
ただし、科目を減らせば自動的に間に合うわけではありません。
絞った科目に対して、圧倒的な時間と反復を投下する必要があります。
3科目型を選ぶ前に確認すべきこと
本当にその大学・学部で学びたいのか
「3教科で受けられるから」という理由だけで大学を選んではいけません。
- 大学に入ってから何を学びたいのか。
- 卒業後にどのような進路へ進みたいのか。
その大学の授業内容や資格、就職実績、立地なども含めて考える必要があります。
受験科目は大学を選ぶための一つの条件であって、大学選びの目的そのものではありません。
「3教科」と「3科目」を区別する
大学によっては、「3教科型」と書かれていても、実際には同じ教科から複数科目を受験する場合があります。
また、共通テストは3教科でも、個別試験で英語、国語、小論文、総合問題などが課されることがあります。
特に確認すべきなのは、
- 共通テストで必要な教科・科目
- 個別試験で必要な科目
- 英語リスニングの扱い
- 地歴公民の選択条件
- 情報Ⅰを選択できるか
- 調査書や小論文の配点
- 前期・中期・後期のどの日程か
大学名だけを見て判断せず、学部、学科、日程、方式まで確認してください。
志望校を変更しにくくなる
3教科に完全に絞ると、途中で一般的な5教科型の国公立大学へ変更することが難しくなります。
高校1年生や高校2年生の段階で、早々に数学や理科を捨てることはおすすめしません。
学校で学習している範囲は最低限落とし込み、可能な限り選択肢を残してください。
特に高校2年生までは、最初から3教科に限定するのではなく、5教科型の可能性を残しながら、英語・国語・社会に強みをつくるという進め方が安全です。
高校3年生になり、現在の学力、残された時間、志望学部を考えた結果として、3教科型へ絞る。
この順番が基本です。
3科目型で合格するための学習戦略
まず大学一覧ではなく「科目・配点表」を作る
3科目型の国公立大学を探すときは、大学名だけを並べても意味がありません。
次の項目を表にしてください。
大学・学部日程共通テスト科目個別試験配点現在の得点
- A大学前期英・国・社会英語共通600・個別400-
- B大学中期英・国・選択国語共通500・個別300-
- C大学後期英・国・社会小論文共通700・個別200-
同じ3教科型でも、共通テスト重視なのか、個別試験重視なのかで対策は変わります。
英語が得意な生徒は、英語の個別試験がある大学が有利になることがあります。
共通テスト型の問題が得意な生徒は、共通テストの配点が高い大学を選ぶ方が戦いやすくなります。
「受けられる大学」ではなく、自分の得点の出し方と相性がよい大学を探してください。
得意科目を圧倒的な得点源にする
3科目すべてを同じように勉強する必要はありません。
- 英語が得意なら、英語で大きく稼ぐ。
- 社会が得意なら、社会で9割を狙う。
- 国語が得意なら、現代文だけでなく古文・漢文まで安定させる。
3科目型では、明確な得点の柱が必要です。
目標は、
•得意科目で85~90%
•残りの科目で70~80%
•苦手科目でも大崩れしない
という状態です。
得意科目を伸ばすだけでなく、苦手科目を「合格を壊さない科目」にすることも必要です。
共通テストだけでなく個別試験を早く確認する
共通テストが3科目だからといって、共通テスト対策だけをしてはいけません。
静岡県立大学や北九州市立大学など、個別試験で英語を課す大学があります。
静岡文化芸術大学では英語と現代文、都留文科大学では学科により国語、英語、小論文などが課されます。
遅くとも高校3年生の夏までには、志望校の過去問を一度見てください。
解けるかどうかではありません。
- 英作文があるのか
- 長文の分量はどの程度か
- 国語は記述式か
- 小論文では何が問われるか
- 総合問題にはどのような資料が出るか
を確認するためです。
共通テスト後に初めて個別試験の問題を見るのでは、間に合わないことがあります。
国公立を諦める前に、受験方式を調べよう
国公立大学を目指すなら、基本的には幅広い科目を勉強することが王道です。
高校1年生、高校2年生の段階から安易に科目を捨てるべきではありません。
しかし、高校3年生になり、
- 受験勉強の開始が遅れた
- 数学や理科の完成が難しい
- 英語・国語・社会に強みがある
- 私立文系と国公立を併願したい
という状況であれば、3科目型の国公立大学は有効な選択肢になります。
大切なのは、最初から「自分には国公立は無理だ」と決めつけないことです。
一方で、「3科目なら楽に受かる」と考えないことです。
受験科目を絞るということは、勉強を減らすことではありません。
合格に必要な科目を明確にし、そこへ学習時間を集中投下することです。
まずは、自分の興味がある学部の中に3科目型の大学がないかを調べる。
次に、共通テストと個別試験の科目・配点を確認する。
そして、自分の現在の得点と照らし合わせる。
受験は、知っているかどうかで選択肢が変わります。
「国公立=多科目」と思い込んで諦める前に、自分の得意科目を生かせる入試方式を探してみてください。
※本記事で紹介した入試科目は、2027年度入試に向けて2026年6月28日までに確認された情報や、一部2026年度入試情報をもとにしています。入試科目や配点は変更される場合があります。出願時には必ず各大学が公表する最新の入学者選抜要項・募集要項を確認してください。

